濃霧のなか、株式会社浜照水産のご厚意により八王丸に乗って定置網漁の体験ができた。
定置網という言葉が使われたのは明治34年(1901)制定の漁業法からで、漁は水深27メートル以上の海域に季節的に接岸回遊する魚群の通路を遮断して網の中へ誘導し、その中に落とし入れて一挙に漁獲する方法。
魚道を遮断するために陸岸近くから沖へ向かう垣網(かきあみ)づくりや、固定するための土俵詰め等の作業が地域の砂浜で行われていた頃を思い出しながら、また、変わらぬ地域の原風景を見、潮風を体一杯に受け漁場へ向かった。
走ること20分くらいで北の漁場に着いた。数十年ぶりに体験する網越し。
確立されている役割分担や動力の導入・船を取り巻く「カモメ」との共存、そして何よりも株式会社浜照水産の後継者が自然へのやさしさをも持ち合わせて確実に成長している姿に感動した。
漁業を取り巻く環境も乱獲や自然破壊による資源の減少・高齢化・魚価の低迷に加え、食生活が魚から肉(従来100%以上あった水産物の自給率が60%)に変化したことによる食としての魚の将来。課題等は多いものの、減少は進んでもまだまだ津軽海峡沿岸の海は豊かだと思う。
漁業者、消費者一人一人の自然や健康への熱い思いと実践が課題解決の糸口になるのでは。
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