中川目沢を歩く

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森(佐藤ケ平)と海(津軽海峡)をつなぐ中川目沢は市が管理する普通河川で、この沢を境界に南側を「二枚橋」北側を「釣屋浜」という。

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川上に向かって歩くと昭和37年3月に竣工した「砂鉄橋」があり、その20メートル先に旧大間鉄道遺産である一連のアーチ橋がある。

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アーチ橋の下には砂防目的で建設されたと思われるコンクリート構築物があるが、今は水流が北側を侵食しながら流れている。

さらに川上に200メートル位歩くと、平成2年竣工した二枚橋農道の真下を高さ2m・幅1,8m・長さ40,5mのコンクリートトンネルがある。この辺一帯の釣屋浜地区は1650年代頃から1950年代頃まで、砂鉄の採掘が盛んに行われた所で、その当時の中川目沢の流れを証明するコンクリート構築物が現在も残っている。

採掘後の広大な土地は、仲間達と日の暮れるのを忘れて野球を楽しんだ場であり、アケビ、サルナシ(こくわ)、山ぶどう採りに夢中になった場所でもある。

コンクリートトンネルを抜けると、二枚橋バイパス建設地に高さ1,8m・幅1,5m・長さ58mのコンクリートトンネルがある。さらに進むと雪解け後にミズバショウが群生している湿地があり、その右側の斜面に小道があり駆け上がると農地(現状は原野)があり見晴らしがよかった記憶がある。

この付近一帯の森林は明治23年12月に杉本源蔵他25名の共有林であったが、昭和40年6月に土地家屋調査士(堀内潔)の測量成果に基づき地積訂正、同年7月に262分割による所有権移転登記済みであるが、共有地に関する課題が今なお山積している。

周辺森林の保育管理や木材搬出等のため二枚橋町内会と北通地方森林組合が連携して、土地所有者47名から当地域に釣屋浜林道「延長1000メートル・幅員3,6メートル」開設のための、道路用地及び立木の無償提供についての意見集約をし、昭和60年4月2日付けで大畑町長(畑中一)に陳情書を提出、以後、山村振興対策事業での実施が採択されたものの未だ着工に至っていない。

さらに川上に向かって歩くと40年以上管理された杉林があるが、どの杉もツキノワグマが樹液からの栄養補給、縄張りのマーキング等のために行動したと思われる樹皮の剥ぎ取りや爪痕があり、森林と居住エリアとの境界線が国有林の変化・里山地域の放棄等により急接近していることを突きつけられた。絶滅が危惧されているなかで被害対策は勿論だが共生への歩みは。

さらに進むと、この沢で一番深い(20m位)部分に入る。

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さらに進むと民有林と国有林(佐藤ケ平195林班い)境界に達し、ここからは戦後に植林した杉林を伐採搬出した作業道が沢沿いにある。

中川目沢の最終地点で源流を探したが見当たらず。(往復約4キロメートル)

 

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季節毎に山の匂いと空気を体感できる身近な沢です。(クマに注意)

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