時の流れ

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木野部峠を下り鷲ノ巣沢そして大沢に辿りつくや、磯の臭いに誘われて赤岩方面に向かって海岸を歩いた。玉石が打ち寄せられた海岸から砂浜に変わり、真正面には仁王立ちしているかのような赤岩があり、その手前には石積みトンネルから津軽海峡に注ぐ沢水、この沢水を見れば過ぎ去りし日に釣り仲間と二枚橋小学校の一教員とで、この沢水でご飯を炊き肉汁に釣ったアイナメの刺身にたたき、さらに風景と笑いが味付けをした楽しい思い出がある。またスポーツ少年団の子供達と何度もトレーニングを兼ねた野外活動を通して、真っ黒に日焼けした体と生き生きとした眼のの輝きを持っていた子供達の姿が脳裏に焼きついている場所である。

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楽しい思い出とは対照的に国策に翻弄されながら1943(昭和18)に工事が終わった大間鉄道、その姿の一部である橋桁と石で積み上げられた擁壁が時の流れと自然の猛威の影響で、倒壊・決壊そして難工事に関わった多くの方々の涙と汗と想いまでが風化しつつある現実。

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今後、この歴史的遺産を次世代にどのような形で引き継ぐのか見守りたいものだ。

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