赤岩

| コメント(0) | トラックバック(0)

当地域の沖合いの津軽海峡は暖流と寒流が激しく交錯し、潮の流れも速く海底は大陸棚が続き恐山・佐藤ケ平を背後にした里山から流れる水が四方の栄養分を運び好漁場を形成している。

特に赤岩崖岸周辺はワカメ・コンブ・ヒジキなどの海草やウニ・アワビ・ソイ・アイナメなどの魚貝類の宝庫で、沿岸漁業で生計を立てる地域民にとっては自然の恵みに感謝しながら過去・現在・未来とも命を繋ぐ場所が「赤岩」である。

この赤岩は当地域の北西側に位置し、風や高波で侵蝕され切り立った崖が続き、崖には赤い肌を見せている大小の奇岩・巨岩が泰然と並ぶ光景から、約400年前の昔からこれらを赤岩様と呼んで崇めています。

P1010131_500.jpg

船が波しぶきを上げて進めば旧大間鉄道の第二トンネル入口が口を開け、今なお戦争と言う悲惨な時代に翻弄され北通り地区の夢を断ち切った歴史の証人としての顔を見せ付けています。

P1010133_500.jpg

古代の人々は特徴ある奇岩・巨岩などに神霊や超能力が宿ると信じたことから、赤岩岬の中央に地蔵の姿をした巨岩があり海から拝されるので漁師は「赤岩大明神」として、海難事故で亡くなった人々の供養や現実の人生苦悩の願いと感謝を込めて崇拝している。

P1010135_500.jpg

赤岩岬の中央を過ぎた所に入り江があり、今は亡き父と舟を漕いで魚貝類採取に出かけたさえ昼食と水分補給のために立ち寄った場所で、見上げれば里山の水が滝となり玉石が敷き詰められた海岸に流れ出る。その冷たさと美味さは握り飯・たくあん・採れたてのアワビ・ウニをさらに引き立てた忘れることのできない心の財産を残してくれた場所です。

P1010136_500.jpg

P1010137_500.jpg

以前、塩釜神社神官、氏子総代が舟にのり海上で祈願祈祷していたが(赤岩岬に小祠があった)明治初年の頃に風蝕した岩塊の一部を分身し、塩釜神社境内地の向かって右側に御堂を建て遷座するようになって危険を伴う海上祈願が中止されて現在に至っている。

P1010118_500.jpg

波しぶきを上げて船の上から見る赤岩周辺の海は神が宿る色なのか一面がエメラルドグリーン。

これこそ故郷の財産であり生きる支えである。

P1010141_500.jpg

 

 

 

 

 

 

 

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://fs21.jp/mt/mt-tb.cgi/249

コメントする