小さな一歩

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津軽海峡の沿岸にはブナ林の白神山地にも劣らぬ程の海底林が広がっており、四季を通じて恵みと癒しを分け与えている。春からのウニ漁が終わり一休み後には磯舟では採取出来ない深さから、幅広の身厚い真っ黒いコンブが高潮の後に海岸へと流れ寄る。

波の高さ荒さは、彼女達の前では熱気を心地よく冷やす程度のもので海岸に活気と賑わいが戻ってきた。一本二本と胸に抱える量が増す度の笑顔は、単に生活の糧とするためだけでなく自身の居場所に感謝しながら人生を楽しみながら舞い踊っているような気がしてならない。

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  恵まれた自然環境の中で暮らせる幸せが永く続けばいいのだが、現実は地域全体に人口流失等の影響で高齢化の波が押し寄せ加速化している。地域の存続さえ危惧されるなかで人材難という風に呑み込まれる前に、それぞれが「残したい」・「伝えたい」・「応援したい」・・・・の思いを聞き語れる場を用意することで、ヤマセが西風に変わる小さな一歩になるかも。

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