早朝の海からあがる蒸気雲や水道水が暖かく感じられるのも大気温度が冷え切っているからで、この状況に加え10月に降る久しぶりの雪、晩秋の彩りから確実に厳しいであろう冬に向けて季節は移り変わっています。
昭和40年前半までは厳しい冬に備えて各家庭にとって暖房の薪は欠かせないものだった。薪の準備は切倒した雑木林を国有林から運び出し、秋口に動力付きの丸ノコを所有する業者にお願いして30cm位の長さに小切りする。その時にキーンと発する金属音で冬将軍の近さを感じたものだ。今はチェーンソーの操作を訓練すれば切倒しから小切りまで個人でも可能ですが、大木と向き合った場合は機械操作以上に切倒す方向を含めた周辺状況を判断する豊かな経験がなければ安全に作業することが出来ない。プロはさすがに違う。刃の入れ方・クサビの打ち方など高度な技術力を見せてもらった。そして何よりも自然と向き合う姿勢の中に感謝の気持ちを持って現場に入る心構えに感銘した。
プロの技を見てからが私の仕事です。小切れされた材を道端まで一個ごと持ち運ぶ作業であったが、体力を使い果たすまでには至らなかった。普段の行動で体力が確実に上向いている確認作業でもあった。明日以降は小切りした薪を使い慣れたマサカリで小割りにし、さらに旧自宅まで運搬し軒下や地下倉庫に保管しながら乾燥させる。
この薪でタコ・フキなど等を煮炊きし暖房費の節約と同時に自然に生かされて暮らせることを感謝しながら、妻の手料理をいただく夕食(プロと)は時の流れを忘れるくらい深く濃い味であった。
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