鮭の遡上

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2015年9月25日 国連の持続可能な開発サミットでは30年までに環境破壊を引き起こさずに各国が発展していくことを目指した「持続可能な開発目標」に同意した。17の目標と169のターゲットには「海洋と海洋資源を持続可能な形で利用」・「生物多様性損失を図る」等々の環境破壊を食い止めるための目標も含まれていた。

しかし現実は深刻な干ばつと地球温暖化との関連に密漁、また漁業資源の減少や海洋汚染等で身近な魚まで絶滅危惧種に加えられる深刻な状況が続いている。

世界各国の一人一人が生物の多様性を守り、末永く利用するためにも生かされている地球を思いながら、ライフスタイルの見直しと可能な小さな取組みを継続的に行う意識改革が求められている。

下北半島中心部の「恐山」・「佐藤ケ平」に降り注ぐ雨雪の一部がむつ市大畑町二枚橋の「下狄川」に流れ津軽海峡へと養分が運ばれているが、スルメイカを含めた水産資源の不漁が続き、嘆きの声が方々から聞こえる年の瀬である。

かって、この下狄川に平成8年5月13日・平成9年5月12日にそれぞれ10万匹の鮭の稚魚を放流した。外洋での長旅(4~5年)を終えて故郷の河川を遡上することに大きな期待感があったが、その魚影を見ることは無かった。以後も自分の役割を終えようと下狄川に回帰することは無かったが、昨年の11月後半から12月上旬にかけて目を疑うほどの鮭が遡上したのに驚きと感動があった。

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                                   平成27年12月13日撮影

平成28年も遡上を願いながら毎日のように下狄川に足を運んでいるが気配すらない。この原因は素人の私達では特定はできないものの、取り巻く生活環境と自然環境等の変化がその要因の一つであることは確かなのでは。命を繋ぐ持続可能な循環に負の警笛が鳴らされているような気がする。

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本来は直線的に津軽海峡に流れる下狄川が、毎年のようにこんな蛇行を繰り返している。

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蛇行した河口に疑問を持ち何度も状況報告しているが動く気配すらない。鮭だけではなくアメマスも遡上せず、根が姿を隠せばそこを棲家とする小魚や甲殻類そして海草や藻も消滅し、コクガンなどの鳥類が寄りつかない。この構図こそが私達人間を苦しめることに気付き、意見を発しながら行動しなければ手遅れになる日が近い。

 

 

 

 

 

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